コロナ影響下でのベトナムレンタル工場市場動向の変化
『現地からの速報』

世界各国でコロナウィルス感染者の増加が続く中、ベトナムはその封じ込めに成功していて、7月までは死者ゼロ、国内感染90日間ゼロという記録を打ち立てていましたが、7月にダナンでクラスターが発生し、8月21日現在で累計の感染者数は1,007人で死者数が26人となっています。ダナンでのクラスター発生後に、ダナンを始めハノイ・ホーチミンといった大都市はバー・クラブなどの営業停止措置が取られていますが、レストランは通常通りの営業を続けています。

■コロナ禍でもベトナム工場進出は堅調

ベトナムでは3月後半から外国人の入国制限措置が取られているため、各工業団地への海外からの視察がままならず、どの工業団地も営業的には苦戦を強いられています。しかしながら、ベトナム国内の拡張案件があり、このコロナ禍の最中でもBW Industrial Development JSCでは新規の契約を数件獲得しています。主な要因としては、従来からの「米中貿易戦争」や今回のコロナ禍の影響で、中国における生産活動のデメリットやリスクが大きくなり、政治的リスクが少なく人件費が中国の約3分の1で、距離的にも中国に近く米国と良好な関係を築いているベトナムに、生産の比重を徐々に移行するという企業が増えていることがあげられます。また、先頃日本政府が発表した令和2年度補正予算案で、「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に235億円の補助金を用意していることも、中国からベトナムへの生産移管を後押ししています。

■コロナ禍で見られる進出動向の変化

コロナ禍前は日系企業の場合は、レンタル工場に問い合わせがあるのは中小企業がほとんどで、500㎡~1,500㎡程度の小規模の工場の需要がメインでした。3,000㎡以上の工場の場合は、レンタルではなく土地を取得して自社工場を建設するというパターンが一般的でしたが、今回のコロナ禍の影響で中長期的な見通しを立てることが困難になったこともあり、リスク軽減を考慮し、3,000㎡以上の大型規模の工場でもレンタルからスタートする大手企業が増えてきました。レンタル工場の場合は3年リースからスタートでき、最悪の場合でも撤退が容易で、損失を最小限に留めることができるので、まずはレンタル工場で3~5年間操業し、ベトナムでの生産事業が軌道に乗った段階で自社工場を建設するというパターンが増え始めています。

コロナ影響下での世界各国の経済状況は未だ混乱の中にありますが、日本企業のグローバル化の歩みを止めるわけにはいきません。日本企業の進出先最有力候補であるベトナムの、今後のレンタル工場市場の動向に注目していきます。

[ご参考webサイト] BW Industrial Development JSC 

 →https://www.bwidjsc.com/ja